三島由紀夫『不道徳教育講座』
この本を二週間ほど前に読んだんでございます。
これ、めちゃくちゃ面白いです。
三島由紀夫が、ある女性誌で連載していてものを集めた本なのですが。表題に『不道徳教育講座』とある通り、
めちゃくちゃ、各コラムのタイトルが不道徳的。
たとえば、「殺っちゃえと叫ぶべし」、とか
、、、ちょっと正確なタイトルじゃないんですけど
知らない人とでも飲みに行くべし、とか、童貞の扱いには細心の注意を払うこと、とか、
教師を心の中で馬鹿にするべし、とか、まぁそんな旨の内容が書いてあるんですけど。
え、そんなこと言っていいのかいな。
とビックリ。
本来は、『清く正しく美しく』みたいなのを、道徳的とか言うじゃないですか。
それを真っ向から(いや、ナナメから?)覆すみたいなコラムが盛りだくさん。
ちょっとそれ卑怯じゃね?とか、下心じゃん。とか、⚪︎⚪︎するのが普通でしょ?!みたいな、自分を縛り付けてたギザギザの紐がしゅるるるると、緩んで床に落ちて、
なんかぽよんぽよん、三島の言葉が心の中で跳ねて、遊び回って。
気づいたら、肩に乗っかってた余計なもんがいつのまにか取れてたぞ!!
みたいな感覚になりました。
おかげさまで、教師を馬鹿にするようになり、性格がひねくれましたが(笑)
自分はいい人でありたい!ってかいい人だからゼッタイ悪いことは考えないし自分はしないワヨ!
みたいなことを考えてた時よりも、人の気持ちが分かるようになってきた気がしてます。(まだわからんことの方が多いんだろうけどさ)
見た目きちんとして、誰も見ていないところでも、きちんとすることを心がけるべし!みたいなガッチガチの道徳を、
五寸釘ぶちこんでやりたい!という人にオススメです!
ぜひとも読んでみてください!