ultraseamless’s diary

読んだ本の感想を書いたり、日々のことをつらつらと。

【書評】山田詠美『ぼくは勉強ができない』

おはようございます。今日は6/6(土)で時間はAM4:33です。*\(^o^)/*

どうも、早く読み切ってしまいたい!という気持ちがありまして。

さて、今回も山田詠美さんの作品です。今回は『ぼくは勉強ができない』新潮文庫,1996年
を書評したいと思います!!!*(^o^)/*
〔すこし眠いので日本語がおかしいかもしれません*(^o^)/*〕

(追記:AM5:32に書き終わり、、眠くて、最後、かなり日本語が危ういです。どうか堪忍してください)

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【あらすじ】
主人公は高校生の時田秀美。男。17歳。
彼には日々の出来事への、いろんな疑問をかかえていた。
教師が傲慢に、いろんな出来事に◯、×をつけること。それがあたかも、当たり前で正解で常識だというかのように。
•••事実を自分勝手に解釈して、それの確認を他者を使って行う人々だ。自分は、こう思う。そのことだけでは満足出来ずに人の賛同を得ようとする種類の人間たち。その人々は、自分の論理を組み立てた結果以外のものを認めない。•••人殺しはいけない。そうだそうだと皆が叫ぶ。しかし、そうするしかない人殺しだって、もしかしたら、あるのではないか。ぼくは、もちろん、人なんか殺したくはない。しかし、絶対にそうしないとな言い切れないだろえ。その時になってみなければ、解らない。その人になってみなければ明言できないそとは、いくらでもあるのだ。
父親がいない子供は不幸になるに決まっている、というのは、人々が何かを考える時の基盤のひとつにしか過ぎない。•••良いことをすれば、父親がいないのにすごいと言い、悪いことをすれば、やはり父親がいないからだということになる。•••事実は、本当は、何も呼び起こしたりしない。そこに、丸印、ばつ印を付けるのは間違っていると、ぼくは思うのだ。

それから、知識を見せびらかしたり成績のいい奴が先生から褒められたりするけど、偉そうなことを言ってたって、腹が減ったり身体を怪我したらそんな理論なんにも役にたたないだろうし、何よりモテないだろ?ということ。
「••おれは、時に、おまえのような単細胞が羨ましくなる。幸せでいいなあ。おれは、考えることが多過ぎて、永遠に動物としての快楽を味わい尽くせないかもしれない。頭の中が、高尚な知識の積み重ねで息詰まる思いだ」•••「そういう高尚な人が、どうして、サッカーなんてやってるんだい」「肉体と精神の均衡を保とうとしているのさ。時田のように、駆けっこの好きな人間には、理解できないかもしれないが」「おまえなー、そういうこと考えながら、練習してるから、シュートが決まんないんじゃないの?」

それから、あまりにもごく自然を装って、抜け目なく自分を磨く、男子に人気な女子のこと。
本当はきみ、色々なことを知ってる。物知りだよ。人が自分をどう見るかってことに関してね。高校生の男がどういう女を好きかってことについては、きみは、熟知してるよ。完璧に美しく、けれども、完璧が上手く働かないのを知ってるから、いつも、ちょっとした失敗と隣り合わせになってることをアピールしてる。•••••きみは、自分を、自然に振る舞うのに何故か、人を引きつけてしまう、そういう位置に置こうとしてるけど、ぼくは、心ならずも、という難しい演技をしてるふうにしか見えないんだよ
ぼくは、人に好かれようと姑息に努力する人を見ると困っちゃうたちなんだ。

などなど、秀美くんは

高校生活の中で、それっておかしくねーの?ということに対して疑問を投げかけます。ちょっとひねくれたことを言ったり格好付けたり。性格が裏目に出て、彼女の桃子さんに浮気をされてしまったり。

なかなか自分の哲学どおりにはうまくいかない日々。でもその日々の中で最終的に彼は自分で、うんうん悩みながらもひとつを選び、歩んだり休んだり怠けたり走ったりする。

日々、なんとなく思うことを全てがセリフとなって突き刺さる〜見栄や劣等感、虚栄心、そんな感情が、全てひっぺがされる〜


【書評】

元気だなぁ。という感じがする。

隣の部屋からセックスの喘ぎ声が聞こえる!というクラスメートの打ち明け話に始まり、男子仲間でクラスメートの部屋に泊まりに行ったり、

彼女に浮気をされて、モヤモヤを打ち消すためにただ、サッカーの練習に励んだり。

主人公時田秀美の価値観があますことなく小説の中では明らかにされるのだけど(というより山田詠美氏が言いたい事?)その合間合間に挟まれる高校生活の瑞々しさというか、ガヤガヤ騒がしい雰囲気が、なんだか、いい。

これまた山田詠美ワールドだからなのか、時田秀美の母、時田仁子は元不良でシングルマザー。出版社に務めながらも、恋多き女性を自称しており、日々の食費や息子にかけるお金よりも、自分の服や化粧品に大部分をつぎ込むといった

問題児的な母。これまたキャラが濃い。

そして同居するのは、祖父。既に祖母は亡くなっているためか、祖父は祖父で、年下の女性に目がなく、秀美ともたびたびセックス談義で相談にのったりすることもある。

祖父と息子を軽くあしらい、恋愛にうつつを抜かす母親として、あるまじき母と

とんでもないエロじじい。

こんな二人のいる環境で育った秀美は、「規制の価値観や常識からずれないようにずれないように、と枠内で自分の生き方を決める人間なんてつまらない」「集団行動などつまらない」

という基本の哲学が引き継がれます。

またまた山田詠美ワールドらしいといいますか、現実では中々いなさそうなキャラクターが爽快に物申す!

読んでいてスカッとしたり、ギクリとしたり。秀美と一緒になって、「あたりまえ」と思っていること、ちょっと疑ってみませんか?


気になる方はぜひ読んでみてください*(^o^)/*