【感想】中村文則『遮光』
こんばんは。ウルトラシームレスです。
今回は
中村文則さんの『遮光』という本を紹介します。
あらすじ
恋人を事故で亡くした主人公は、死体安置場所で、彼女の指を持ち出す。
それ以来、主人公はそれを瓶の中に入れ、バッグに忍ばせ持ち歩くようになる…。輪郭のつかない曖昧な世界で、必死に自分の内面と折り合いをつけようとするが…
【感想】
なんとも言えない閉塞感が、本文全体に漂ってます。まるで自分の物語のようだ!とも少し思いました( ^ω^ )
というのも、
思い返せば思い返すほど、薄暗くて黒い世界、そういうカビ臭い過去って誰しも一つや二つありますよね。
私の場合、
親に喜ばれることを、行動の基準にして、馬鹿を演じたり嘘をつくことで生きてきまして。…そのうち、何が嘘で何が本当なのか分からなくなりました。(苦笑)
そんな感じでうまく片づけられず、ずーーーっと灰色だった過去が、あの空気感が、実際に物語になったという感じでした。
そういう真っ黒い部分を、重ねて読んで、最後には
『なーんだ、こういうことだったんじゃん』と馬鹿げて見れたこと。それが私にとって、救いでした。
ネタバレになるのでこれ位で( ^ω^ )
•自分の言いたいことを隠してる
•自分を信じられない
•人前で演技してしまう
•しかもそれが苦しくて仕方が無い
という方にオススメの一冊です。
それでは〜( ^ω^ )