【書評】太宰治『皮膚と心』
こんばんは。
太宰治の皮膚と心
という物語を読み
めっちゃ共感できて、しかも、
すげー面白かったので紹介します。
あらすじ
主人公は自分にまったく自信のない、女。
ある日自分の身体に小豆ほどの大きさの吹き出物ができてるのに気付く。
夫は心配して、声をかけたり薬を買ったりしてくれる。
しかし、女の心はズブズブと薄暗い奥底へと落ちていく。
なぜ、よりによって自分にこのような災難がふりかかるのか!なぜ私はこんな夫と結婚してしまったのか!やはり私はひとり身で生きていくべきであった、私はもう宇宙も社会も信じられない!ああ苦しい、ああ悲しい、もはや全ては真っ暗闇…
息苦しいほどに、
女の心の内側は読者の前であらわになる。
さて、彼女の吹き出物は
どこへと彼女を突き落とすのか…。
【感想】
えっ
あの、感覚って、明治期の人達も持ってたの?!苦しくて悲しくて身体をグネグネして叫んだりしてたんだ?!
って、
他人の物語なのに
自分を見ているようで、すげー驚いた。
そして、なんか笑ってしまった。
なんだって、そんなちっさいことで
宇宙の果てまでお先真っ暗状態になるのよ(笑)考えすぎだっつの(笑)と。
でも
情緒不安定な時の、
お先真っ暗感、人が目の前で話してるのに、自分は違う部屋からその人を見てるようなあの感覚を
物語を通じて共有できたことが嬉しかった。
•自分の気持ちの、ブレーキが効かない
•とにかく目に見える世界が、ぼやんとしてる
•なにがなんだか自分でもよく分からないけど、なんか気怠い
•情緒不安定な、女の気持ちが分からない!
という方にオススメです。
ではー