ultraseamless’s diary

読んだ本の感想を書いたり、日々のことをつらつらと。

【書評】星野源『蘇える変態』

こんばんは。週末の夜、いかがお過ごしでしょうか?

わたしは、後先を考えず古本屋で本をまとめ買いしてしまい、残りの持ち金3000円でひとつきを越さねばならぬ事実にプルプルしています。(実家住みなので死にはしない)

さて、今回は、最近ドラマ『心がポキッとね』の主題歌『SUN』を歌っており、歌手であり俳優であり、コメディアンでもある星野源さんの書かれた『蘇える変態』という、エッセイ集を書評したいと思います!
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まず星野源さんのプロフィールをサクッと引用しちゃいます。

星野源:1981年、埼玉県生まれ。音楽家、俳優、分筆家。タモリ氏が会長を務める日本変態協会、会員。2000年インストゥルメンタルバンド「SAKEROCK」を結成。03年に舞台『ニンゲン御破算』(作•演出:松尾スズキ)にしゅつえん、その後大人計画事務所に所属。10年にファーストアルバム『ばかのうた』、11年にセカンドアルバム『エピソード』(第4回CDショップ大賞準大賞)を発表。サードアルバム『Stranger』(13年)はオリコンウィークリーチャート2位を記録した。

ほ〜、ちなみに、ドラマには『ゲゲゲの女房』、『11人もいる!』主演に『テキサス-TEXAS-』で舞台初主演。映画では『箱入り息子の恋』園子温監督の、『地獄でなぜ悪い』あにめ映画『聖☆おにいさん

などなど!

すごい(^◇^;)知らなかったです〜。


それから、えーと本著はですね、もともと『GINZA』という女性向け雑誌に、掲載された連載(2011年5月号〜2013年2月号、6,7月号)「銀座鉄道の夜」をもとに書籍化されたそうです。


【あらすじ】

星野源さんの普段考えてることや、イライラ解消法、趣味の話から、酒が飲めなくて悲しい話、台湾でのライブの話、アーティストとしてのあり方の話、男と女の「ぽっちゃり」に対しての認識の違いの話、神木隆之介の素晴らしさの話らAVの話や、パンケーキと時間の流れの話、

そして2012年12月16日、救急車で運ばれくも膜下出血と診断されてからの病院生活の話など。

いろーーーーんな、のが、詰まってました。

特にJ-POPや自分の曲作りに対する思いを述べてる回をちょっと紹介。

俺は日本人として、昭和の歌謡曲に始まり、70年代後半にニューミュージックが生まれ燦然と輝き、それらの音楽を元に80年代から90年代にかけて数々の音楽家が作り上げた、他の国のどれにも似ていないJ-POPという我が国のポップスにとても誇りをもっている••
最近は若いアーティスト(この言い方は苦手だが)と呼ばれる人たちもカバーアルバムをよく出す。何故だ。楽だからか、それとも楽しいからか。•••オリジナルを作り出してなんぼのシンガーソングライターやバンドが、産みの苦しみのないカバーだけの作品を出すなんて、果たしてやる意味あるのか。やはりそれも需要があるからなんだろうか。最近よく、そこそこ若い音楽家が「新しい音楽というものはない。すべては過去の引用で成り立っている」と発言をしながら、自分がやってることは過去のいいとこ取りばかりな人がいるが、そういう台詞は、服部良一さんや細野晴臣さんなど世界中の音楽を吸収し尽くした巨匠が言って初めて説得力を持つのであって、若造が言っても信憑性はなく、楽をしている自分への言い訳と感じる。
新しい音楽を求めるのが男のロマンじゃないのか。

と。熱い、、。熱い!(^◇^;)よくわかんないけど!!


とにかく星野源さんのことを少しずつ知り始めてイメージしていた「爽やかさ」とか「好青年」な雰囲気でちょっとヘラヘラしてるなぁ〜みたいないい加減なものが、この本を読んでガラッと変わりました。

  • まず下ネタが多い
  • ことの起こりからものを調べている
  • 感じた怒り憎しみ妬みを否定しないこと
  • とにかく考える人
  • 思ったよりも変態
ということです。

「塩顔男子♥︎」なんてイケメンだ〜ってちやほやされてるなーってボヤっと広告を見ながら思ってた訳なのですが。

中身は爽やかさからは程遠く。むしろ、本人曰く暗いことばかりの思いが大きいらしい。
だから、1枚目と2枚目のCDは、自分の気持ちではなく、別の人の理想の人生や想像したものを描いているのだそう。
自分の感情だと暗くなるとかで。

でも3枚目「夢の外へ」は明るくしたいという思いがあったそうで。

そういった曲を作る時の思いや、収録時のエピソード、締め切りに間に合わずよだれと涙を流しながら詩を書いた記憶、、

などなど、あの爽やかな笑顔からは考えられないような、その内面の幅広さにただただ驚きました。

これを読むと、源さんが普段、いかにエロいことを考えているのか。そしてどれだけ人への尊敬の念をもって仕事をしているか。ばかばかしいジョークの裏に、血みどろの、どろどろの汗や涙の記憶がたくさんあって
それを胸に秘め星野源さんは、あの笑顔をしてるんだ。

と、改めてそう思って、
「この人大したことなさそ〜」みたいな
ごうまんなイメージと勘違いは、大きく覆されました。

ぜひ!お手にとって読んで見て下さい。